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選挙管見
 
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「カナダの選挙(2008/10/14)も一応終わったが、蓋を開けてみると、解散前とあまり変わり映えしない。 少数党ながら2年半政権を維持してきた保守党が今度も少数党で第一党。 引き続き政権を担当する。 第一野党は自由党。 ただ自由党はかなり議席を減らしたから、その分保守党や他の野党の議席も増えることになった」

「議会の分布図にあまり変わりがないのなら、どうして国民が望んでもいない選挙を3億ドルもかけてやったのだろう」

「普通少数与党の政権の寿命は1年半。 それが今の保守党の場合2年半だから例外的な長期政権だ。 野党に不信任を突きつけられたわけでもないからもっと居坐ろうと思えば出来たはず。 それにハーパー首相は『次の選挙は2009年10月』と日時を明記した法律をつくって、それまでは解散しないと公約した。 それなのに敢えてこの時期に選挙を行ったのは、最近の世論調査の流れをみていて、今なら絶対多数をとれると判断したからだろう」

「それにしても、万年与党といわれる自由党が今回大敗したのは何故だろう」

「ディオン党首の掲げた環境政策が十分国民に理解されなかったからではないか。 環境論者や識者は高く評価しているのだが、ケベック育ちのディオンの英語ではコミュニケーションに問題があった。 カナダ生まれのカナダ人でありながら、英語が完全でないというのは驚きだが、前のケベックの州首相だったブラサもハーバードにいた人でありながら、疲れてくると英語が思うように操れなかった。 2人とも卓越した政治家でありながら英語がハードルになった。 それにディオンはケベック独立に反対で統一カナダのチャンピオンだったから地元のケベックでは人気を失う原因となった」

「一方ケベック独立を標榜するパルティケベコアは健闘して、保守党のケベック進攻を防いだ。 保守党がオタワの議会で過半数を制するためには是非ともケベックの地盤を拡大したいところだが、絶対多数を許さなかったパルティケベコアの不屈な努力には一目置くべきだろう」

「保守党が右派、自由党が中道左派というのは分かるが、左派の新民主党は?」

「新民主党も自由党の劣勢に乗じて今回は議席数を増やしたが、民主社会主義の伝統を生かして党勢を伸ばすのは将来の課題だ」

「ハーパーは元々エコノミストだが、自他ともに認めるブッシュの弟分。 ワンマンバンドのワンマン宰相で、妥協は苦手。 新しい大統領を迎える米国とこれからどう折り合っていくのか。 声なき声の一介の庶民としては首をすくめて見守るだけということになりそうだ」

(2008/10/17) 

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