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2003年を振り返って
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「2003年のカナダの足取りで、何がハイライトだっただろう」
「クレチアンが、ワシントンの圧力に屈せず、カナダ軍のイラク出兵を断ったことだと思う。 カナダ人の大半も、そのことを誇りに思っているんじゃないか」
「しかしその結果、イラク復興の建設事業からカナダは排除されたからね。 ドイツやフランスと共に」
「先月首相になったポール・マーティンは、早速ブッシュ大統領に電話して、カナダもイラク復興に資金を拠出していることを指摘して、再考を促したが、果たして、ベクテルやハリバートンの下請けになるのがいいことなのか。 もっと毅然とした態度を望むカナダ人もいたようだし」
「それにしても、イラク以外の大きな出来事といえば、クレチアンからマーティンへの首相交替だ。 また二つの党が合併して、新しい保守党になったのも、地震でいえば中震ぐらいかな。 問題は誰が新党首になるかだ。 新民主党も新しい党首になって、メディアが注目している。 それに8つの州と準州で選挙があったし、この春に選挙を控えた州もある」
「かなりの 『変化』 に揺れた年だったんだ。 しかし実質的な 『変革』 に繋がるかな。 カナダで一番大事なオンタリオの州政府が、進歩保守党から自由党に替わったことは
大きな出来事だったし、トロントの市長も入れ替わったから、市民も期待しているようだ」
「マーティンが連邦政府の首相になったことで、自由党にも 『変革』 が期待できるだろうか」
「マーティンは、財務相時代に 赤字財政を退治して、銀行家や経済人を喜ばせたが、今度は
首相として、医療制度や教育を充実させたいと言っている。 特に医療は、マーティンが心の師と仰ぐトミー・ダグラスや
父親のマーティン・シニアーが 40年来築いた福祉政策の肝心要だから、我々も注目しているわけだ。 でも、
この前のオンタリオの選挙に勝った州自由党が、政権について金庫の中身を見た途端、『公約全部は守れない』と言うんだから、やはり政治家の言葉は眉唾かな」
「政治家でなくても約束を守れない人は多いんだから、めくじら立てなくても。 理想と現実のバランスをとって、治めていくんじゃないか」
「米加関係はどう推移していくだろう」
「マーティン首相が 関係改善に努めることは間違いない。 ただ、カナダは、同性愛の結婚にしても、マリファナにしても、寛容な態度をとっている。 アメリカはそれが気にいらない。 アメリカは宗教的だからね。 だからカナダにも同じ厳しさを要求してくる」
「なるほど、カナダはそれに比べて 世俗的だからね。 つまりヨーロッパ的なんだ。 いずれにしてもマーティン首相は
ワシントンと そつなくやっていくだろう。 それより間近な目標は、春の総選挙だ」
「自由党が また圧勝して、4連勝を飾るだろう。 合併した新保守党が 自由党を脅かす存在になるまでには、後2回の総選挙が必要だろう。 ひょっとしたら、新民主党が第一野党に躍り出ないとも限らない。 カナダでも一寸先は闇なんだから」
(2004/01/05)
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