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金利と失業率
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「今から 10年前、というと 1993年だが、カナダの連邦政府が、進歩保守党から今の自由党に代わった年だ。 あの頃のカナダの財政赤字は、420億カナダドルに達しようとしていたからなあ」
「当時のマウルーニー政権がいくら赤字克服に取り組んでみても焼け石に水だった。 そしてキャンベル首相に引き継がれたのだが、このままでは高金利、増税、サービスの削減は避けられないという状況に追い込まれて総選挙。 結果は赤字征伐を公約したクレチアンの自由党が圧勝。 そしてマーティンならびにマンリーの両財務相の連携プレーによって、今年は 40億ドルの黒字を計上するところまできたわけだ」
「だから、トロントの SARS やアルバータの狂牛問題、ブリティッシュ・コロンビアの山火事、オンタリオの大停電と、予想外の災害が続いても、なんとか連邦政府が面倒をみることもできるというわけだね」
「それにインフレーションの恐れも当面消え去ったことだし、第 2 四半期に一歩後退しかけた景気もここへきてふいごを吹いておく必要があると、バンク・オブ・カナダは判断したのだろう。 そこで
9月3日、公定歩合を 0.25% 引き下げて 2.75% としたが、市中銀行もそれにならってプライムレートを
4.5% に引き下げたしね」
「だから今は 40年来の低金利になったわけだが、それでも日本やアメリカ、ヨーロッパにくらべればまだまだ高い。
カナダの金利もその水準に近づく可能性はあるんじゃないか。 1980年代の初めの頃は、金利も
20% だったからなあ」
「しかし赤字が減ったのはいいが、その削減の過程で、社会福祉が犠牲になっているのは問題だ。 保守的な考えの人たちは、赤字を減らすためには、社会福祉のサービスを削るべきだと考える。 その典型がブリティッシュ・コロンビアだ。 BCの財政赤字は
BC史上最大のものだが、BC自由党のキャンベル州首相は、減税を押し進める一方で、学校や病院など、教育や医療サービスをカットしている。 州の経済界はそれを歓迎しているようだが、赤字を懸念する声が聞かれないのは不思議だね」
「BCのやり方は、イデオロギー的に、どうもブッシュ政権に似ているように思えるのだが」
「ところで、8月の失業率が Statistics Canada から発表になったね。 前月にくらべて失業が
0.2% 増えて 8%。 2001年12月以来の高さだそうだから、およそ 2年ぶりの高い失業率というわけか」
「雇用の増大は、今年にはいってから 8月まで、0.3% ときわめてスローだったからね。 去年は同じ
8ヶ月の間に2.6% 伸びたのというのに」
「8月は、医療関係や福祉サービス、それにホワイトカラーの管理職で失業した人も多かった。 もちろん製造業でもリストラは続いているがね」
「オンタリオと米国北東部を襲った 8月14日の停電は、大体 3日ぐらいで復旧したようだが、それでも暫くは節電のためにフル稼働を自粛した工場もあったそうじゃないか。 これが失業に影響することはなかったのかね」
「その間仕事はできなかったのは損失だったけれども、そのために職を失ったという人はあまりいないようだね」
(03/09/05) (重松彬)
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